過去の記録

  賢女手習並新暦

愛染明王(あいぜんみょうおう)について

 愛染明王は、頭に獅子冠をかぶり、髪を逆立て、三目で、牙をむき出して口をカッと開き六本の腕を持った恐ろしい姿の忿怒尊(ふんぬそん)。愛染という名前のとおり、愛情・情欲をつかさどり、愛欲貪染をそのまま浄菩提心(悟りの心)にかえる力をもち、煩悩即菩提を象徴した明王といわれる。人間にはさまざまな欲望があるが、この欲望は人間には滅亡へとかりたてる力を持つとともに、時には生きて行くうえでの活力源となり、より多くのものを可能にし、高める力を持っている。この両刃の剣である力強い欲望の工ネルギーを、悟りを求め自らを高めようとする積極的なエネルギーに浄化しようというのが愛染明王の教えである。

 弘法大師によって日本に伝えられた愛染明王は、愛情などの敬愛を祈るほか、息災・増益・調伏を祈る本尊として、特に鎌倉時代以降に広く信仰されるようになった。

 愛染明王と星宿(暦)との関連は、愛染王が諸宿曜(二十八宿や九曜星など)の障碍災怪を除くという功能があるところにある。

『瑜祇経』に「如射衆星光能成大染法」とある。日月が出現すれば、衆星は、たちまち隠没するように、一度愛染王を祈れば、一切罪障怨敵魔縁は、たちまち散失して速やかに悉地を得るという意である。 星宿は人間の禍福栄辱を主り、その障難は怨憎の源である。愛染明王は弓矢をもって衆星を射てその難を祓う。 高野山愛染堂の愛染王は、頭上に弓箭を構え、天上の星を射祓う態をなしている。それは、後醍醐天皇と等身大の愛染明王が自らの宿命を変えようと、天に矢を射る姿にほかならない。

※西国愛染十七霊場がある。
 一番はこの舞台となった大阪天王寺・勝鬘院愛染堂である。
 詳しくはHPまたは、0721−56−2372 西国愛染霊場会
 
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