開催予定
秋の朗読会「死者の書」・「夢十夜」
米津先生1周忌の集いを始めるについての御挨拶

「本日は、お忙しい中、米津先生の一周忌の集いにお出で頂きましてありがとうございます。和の輪の理事で本日の進行役をつとめます武藤ともうします。よろしくお願いいたします。
米津先生は、去年10月4日に102才で亡くなられました。100才を超えるまでご自宅で生活され、お元気でした。
私ども和の輪は、長く密度の濃い交流をさせて頂きました。
今日は、米津先生を思い出して頂く1日にしたいと思います。
初めに、米津先生の師である折口先生の「死者の書」をお聞きいただきます。
全部で20章あり、今日は第5章までをノーカットで読みます。言葉が難しいので、台本をお配りしました。耳でだけ聞かれても、台本を見ながらお聞きいただいても、どちらも楽しんでいただけると思います。
 休憩のとき米津先生へワインか日本酒で献杯をします。飲み物と簡単なお菓子もご用意してあります。
そして、夏目漱石の「夢十夜」を浄瑠璃でお聞きいただき、終了後、全員写真を撮ります。中締めは午後4時です。
その後、時間のある方はお残り頂き、米津先生の思い出を語っていただけたらと思います。全体では午後5時ころお開きとなります。
では、『死者の書』の解説を杉原さんにお願いします。」

   
作品について
 

夢十夜
「こんな夢を見た・・・・」これが夢十夜の書き出しである。

不思議な夢が続くのだが、私は特にこの第三夜のことを忘れられなかった。自分が、前世でいったい何をしでかしていたのだろうか、その時の自分の行動が、今の私にどう影響しているのだろうかと、怖くなった。自分のくせや感情は、どうも生まれた星のめぐり合せだけではないように思えるのだ。
良き師、友人に出会い、良き家族に恵まれている人生をありがたいと思う。だが、まだまだ購うことや、気づかなくてはならないことがあるのも確かである。この不安と予感は、自らの過去世から来ているだろうことをこの物語は教えてくれたのだ。

   
 

死者の書

ついに、この作品を語らせて頂く時がやってまいりました。
いつの日か、と米津先生がお元気な時から思っていました。
史上最高の恋愛小説と、言う方もおられます。わたしはこの作品を読んで魂が震えました。この物語は本当にあったことだとも思いました。混沌とした筋運びで、観客は頭が混乱し、聞くのをやめてしまうのではないかと思い、原文をお渡しすることにしました。
これで、漢字のわかりにくさは少し解決すると思います。なんとか、物語と言葉の力で、第五章までみんなで行きつきたいと思っています。
全部で二十章ありますから、五章ずつ語っても四年かかります。
縁の深い方たちと一緒にこの物語を、読み終えるのが今の私の夢です。
続きを聴きたいと、思ってもらえますように・・・

   
あらすじ
 

郎女いらつめ(藤原南家なんけの姫)は、二上山ふたかみやまに現れる幻影げんえい郎女いらつめを恋人と思い込む大津皇子おおつおうじの亡霊)に誘われるように、ふもとの万法蔵院まんぽうぞういん当麻寺たぎまでら)に入り込み、女人禁制にょにんきんせいやぶったとがをがなううち、死者ししゃ亡霊ぼうれいを慰めるため、蓮糸はすいとで織ったぬの曼荼羅まんだらく。

   
今回の主な登場人物
 

【死者】大津皇子おおつおうじ(663〜686)
天武天皇の第三皇子、滋賀津彦。謀反を疑われ処刑、二上山に葬られた。

【郎女】藤原南家ふじわらなんけ郎女いらつめ
豊成の娘、死者は耳面刀自と考えている。死者に呼び寄せられて寺の結界を犯してしまう。

耳面刀自みみものとじ】 淡海公たんかいこうの妹。大津皇
子が処刑される刹那目が合い、死者になった後もこの世の執心が彼女に残った。

当麻語部姥たぎまかたりべのおむな】昔語りの婆

【9人の魂をこう人】郎女の魂を呼び戻すために二上山の大津皇子(滋賀津彦)の墓の前で魂乞いをし、大津皇子の魂を呼び戻してしまう。

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